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+ 今日は事務所にて西宮BLDの図面や資料等を整理する。 現場で使用した図面だけでも300枚ほどあるだろうか。 その他、 スタディ用の図面や施工図もあるので、 それらを整理しながら当時の設計過程を思い出す。 今回の建物の設計を始めるに際して、 1Fは店舗(飲食店)で、 2F以上は共同住宅である複合用途の建物、 という大まかなプログラムはほぼ決まっていた。 それに対して、 まずは大きな外箱を用意してから, 各フロア内部をそれぞれの用途に応じて作る、 という設計方法はとりたくないという思いがあった。 そういったカタチ(広い意味での構造)とナカミ(機能)が別々にあるのではなく、 カタチがナカミであり、 ナカミがカタチであるような建物をつくりたいと考えていた。 この考え方はクラスターハウス(小田原の家)以来続いている。 この建物の1Fから5Fまではすべて、 以前にも書いたように、 同じ大きさの壁を隙間を空けながら”らせん状”に並べる、 ことで出来ている。 つまり、 店舗(飲食店)とか共同住宅とかいった用途に係わらず、 すべてのフロアの平面は上記のルールの結果でしかなく、 用途に応じた意図的な”間取り”は行なっていない。 (というよりも、 意図的な”間取り”を行なう必要なく成立するような建物の構成ルールを考えた、 というの本当だが。) 結果として各階の平面は、 中央部にガランドウの2室があり、 その周囲に水周りやバルコニーが納められたL型のスペースが、 90度ずつ回転しながら巻きついたプランとなり、 各階で少しずつ変化のあるものとなっている。 らせん状に並べられた壁、 らせん状に回転しながら上昇する階段とヴォリューム、 らせん状に回転するプラン。 4重のらせんで形成された建物である。 以上のように、 この建物は単純な要素による単純な構成ルールから導き出されているが、 その結果としては複雑さや多様性を備えた建物となっているのではと思う。 PS. ちょうど1週間前の日曜日に、 某誌掲載のため写真撮影が行なわれた。 今回の建物の特徴を捉えるため、 カメラマンの方はいろいろとアングルを工夫して撮影をしてくれていた。 写真の仕上がりが楽しみ。 なお、 雑誌掲載の際の建物名は、 ”CASA ESPIRAL"。 スペイン語で”らせんの建物”という意味。 建物の構成を理解してくださったオーナーさんが名づけてくれた。 よって今後はHPやblogでも、 ”西宮BLD"ではなく”CASA ESPIRAL"と表記することにする。 . #
by plus-zero
| 2016-05-02 15:01
| CASA ESPIRAL (西宮BLD)
+今回は1F店舗の写真をUPします。
店舗へのアプローチ。 扉のエキスパンドメタルと枕木は、 この建物の構造壁の市松模様をモチーフにしている。 看板のロゴとマークのデザインは藤田朋子さんによるもの。 私とお施主さん、藤田さんは、 17年程前は共にバックパッカーだった。 私とふたりは、 イランとパキスタンの国境付近の村で出会った。 店名の”mapa”はスペイン語で”地図”という意味らしい。 スペインで修行を積まれたお施主さんによる、 スペイン料理のお店。 店舗内から入り口側を見る。 左側から厨房スペース、客席スペース(カウンター)、ギャラリースペースと、 三層に分かれて空間が並列している。 入口脇の市松模様のマガジンラックは家具製作。 ギャラリースペース。 その時の展示に応じて棚板は移動及び取り外しが可能。 ギャラリースペースから客席スペース(テーブル)を見る。 カウンター席からテーブル席を見る。 テーブル席。 カウンター席。 テーブル席からカウンター席を見る。 店舗アプローチ(夜景)。 夜景。 . #
by plus-zero
| 2016-04-20 23:00
| CASA ESPIRAL (西宮BLD)
+ 2~5F共同住宅内部の写真をUPします。
同じピッチで並べられた壁とその隙間。 それらの重ね合わせによる見え隠れ。 天井と壁は打ち放しコンクリート、 床はモルタル金ゴテ。 ほぼ躯体のみに還元化された、 なにもない空間。 . #
by plus-zero
| 2016-04-18 06:40
| CASA ESPIRAL (西宮BLD)
+ 今回は2~5F共同住宅部分の室内についての予定だったが、
その前に建物の構造について。 前回書いたように、 今回の建物では共用部分のあり方を探ることを設計のテーマとしていたので、 外部階段を建物の外周にらせん状に巻きつける、 ということが始めの方の段階で決まった。 そしていろいろと模型等で、 外部階段と建物のヴォリュームの関係をスタディする過程で、 建物の各層のヴォリューム自体も、 外部階段を避けるようにしてやはりらせん状に回転しながら積層させる、 という方針が見つかった。 いちばん苦労したのは構造形式である。 RC造でいくことは半ば決めていたが、 耐力壁をどういったルールで配置するかが課題となった。 今回の種類のような建物では、 最大限の工事費の合理化を図りつつ、 最大限の容積を確保する、 という一見矛盾したような条件を満たす必要がある。 そこで今回考えたのは、 幅1800mm高さ2700mmの壁だけで建物をつくれないか、 ということ。 これは2×6もしくは3×6の規格寸法の型枠でも、 経済的合理性のある寸法設定である。 この型枠を1Fで必要となる分だけ作り、 それを2~5Fで次々と再利用することで、 壁はコピーを重ねて増殖させることができ、 経済的合理性だけでなく施工上の合理性も図れる。 最終的に問題になったのは、 この1800mm×2700mmの壁をどのようなルールで配置するかであった。 いろいろなルールを検討したあげく、 複数の壁を組織化させる原理として最終的に採用したのは、 外部階段や各層のヴォリュームの運動原理と同様、 らせん運動だった。 この壁を各層の水平面で、 外部階段や各層のヴォリュームと同様に、 反時計回りに1200mmの隙間を空けながららせん状に並べていくことで、 各層の平面が形成される。 上の層では下の層の1200mmの隙間の上にまたがるように、 やはりらせん状に壁を並べていくことで、 垂直面では市松状の構造上合理的な耐力壁面が形成されていく。 (下の層の両側の壁に300mmずつ載せるために隙間幅を1200mmに設定している) このことで梁せいを最小限に抑えることが可能になり、 構造階高が2700mmでも納められる。 建物立面もその結果でしかなく、 4面すべてが同じルールによって等質に形成される。 各層の住戸で異なる玄関の位置にも対応できた。 結果として今回の建物は、 74枚の幅1800mm高さ2700mmの壁で構成されることになった。 今回の設計では構成原理としてらせん運動を利用したが、 今思えば、 何年も前に読んだダーウィンの本「植物の運動力」や、 それについて触れていた佐々木正人さんの本「知性はどこに生まれるか」、 の記憶が頭のどこかに残っていたのかもしれない。 それらの本では、 植物の根も茎も葉も、 らせん運動をしながら成長していることを示していた。 ダーシー・トムソンの本「生物のかたち」、 の影響もあったのかもしれない。 巻貝や動物の角、 台風、 松ぼっくりやひまわりの種、 コーヒーにミルクを入れてかき回した時や、 浴槽の栓を抜いた時にできる渦模様、 DNAの2重らせん、 などなど、 らせん運動はマクロにもミクロにもいたるところで現れる運動原理であり、 そこには有機的な性質を感じる。 大げさではあるけれど私の中では、 コンクリートの壁をらせん状に並べていくということの性質の中に、 材料は鉱物的なのに、 自己増殖をしていくさまは有機的でもある日本の都市のイメージが重なり、 それが今回の案の最終決定の理由となった。 . #
by plus-zero
| 2016-04-14 07:47
| CASA ESPIRAL (西宮BLD)
+ 西宮BLDの写真がまとまりつつあるので、
順次アップしていきます。 今回は外部・共用スペースについて。 西宮市内のとある駅から徒歩で1分ほどの敷地に建つ、 飲食店(1F)+共同住宅(2~5F)の建物。 建物の立面をモチーフにしたPostBox。 道路側(西側)立面。 左側が1F飲食店(スペイン料理)へのアプローチ、 右側が2~5F共同住宅用の外部階段へのアプローチ。 東側立面。 建物の外周にらせん状に外部階段が巻きつく構成。 各層の建物のヴォリュームも外部階段によって前後左右にずらされ、 やはりらせん状に回転しながら積層されている。 階段の手すりも、 一段ごとに縦にずらされた形状としている。 道路から2~5F共同住宅用の外部階段へのアプローチを見る。 隣の建物との間に形成された2層分の高さを持つ隙間から、 敷地の東側にある街並みや空が見える。 2F住戸玄関前。 階段越しにバルコニーや、 東側の街の通りへと視線が抜ける。 3F住戸玄関前から階段を見返す。 3F外部階段コーナー部分。 4F外部階段コーナー部分。 4F住戸玄関前。 階段越しにバルコニー、 西側の街並みや山が見える。 5F住戸玄関前。 階段越しに西側の街並みや山、 線路が見える。 今まで戸建て住宅の設計がほとんどであったが、 今回の建物と戸建て住宅の大きな違いは、 共用部分の有無である。 今回の敷地周辺にも、 同じような形状・広さの敷地に建つ共同住宅がいくつもあるが、 そのどれもがオートロックの共用玄関から入り、 敷地の最も奥に重ねられた共用階段を通じて、 各住戸にアクセスする片廊下形式のものばかりであった。 そういった共同住宅では、 道路側にのみ大きな開口部が設けられ、 隣地側や階段などの共用部分側は、 鉄扉の玄関と換気のための小さな窓があるばかりで、 各住戸はほとんど閉じられており、 周辺や外部との関係は弱く遠いものになってしまっている様に感じた。 警備上は先のような共用部分のあり方が望ましいとされているのかもしれないが、 特に今回のような小規模の共同住宅(住戸数4ヶ)では、 このような共用部分のあり方は、 居住者を建物の中のみに閉じ込めてしまうことにもなりかねないように感じた。 駅から今回の建物にアクセスする幅3.6mほどの前面道路は、 14~5m先の文房具屋さんの前で車は行き止まりとなる。 ただし、 文房具屋さんの横には幅1mほどの通り抜けの出来る脇道があって、 (おそらく文房具屋さんの私有地) 朝や夕方の通勤・帰宅時にはそれなりの数の人の通りがあり、 (文房具屋さんはそこを他の人が通るのを許容している) その中には文房具屋さんのおばさんと軽く挨拶を交わしていく人もいた。 それはとてもおおらかで、 ちょうどいい距離感での人と人との関係に思えて、 今回の建物の共有部分でもこのような関係を生み出せたらと感じた。 今回の建物では、 共用部分を建物で囲い込むことはしないで、 思い切って外部に投げ出すことにした。 つまり、 今回の建物の共用部分を構成するのは、 隣の建物の壁や窓であったり、 そこから見える近くの街並みや遠くの山並みそして空であったりする。 ここを歩く時に感じる印象はどちらかと言うと、 ある特定の建物の中を歩いているというよりも、 他の建物と建物の間の細い路地を歩いている時に感じるそれに近い。 このような周囲に対してもおおらかな共用部分にすれば、 バルコニーにいる他の居住者と外部階段越しにふと目があっても、 やはりおおらかな関係性が生まれるのではと考えている。 共用部分を外部に投げ出し外部階段にしたことには、 他のメリットもある。 各住戸の外壁四面のすべてが直接外部に接することになることである。 そして今回は、 道路側にのみ大きな開口部を設けるといったようなやり方はせず、 外壁4面ともある決まった同じルールに則って 同じ形状の大きな開口部を同じピッチで設けている。 これは室内の壁の開口にも貫かれている。 室内についての詳しいことはまた次回に。 #
by plus-zero
| 2016-04-07 17:10
| CASA ESPIRAL (西宮BLD)
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